株式会社芳垣建設  専務取締役  芳垣彰謙様
プロフィール:明治期に御祖父様が創業され、約100年が経つ。神奈川県横浜市金沢区に事務所を構える。横浜市内の新築・修繕工事、過去に携わったお客様物件のメンテナンスを行う。
見たままの情報が手にとるようにわかるから、業務が進化し続ける!100年企業のさらなる挑戦。Scanatを通じて現場のDXの波に乗れるよう、社長の芳垣さんが先陣を切って努力。今回は、そんなScanatを誰よりも現場で活用されている芳垣さんに、どのようにScanatを利用されているのかインタビューをしました。
Q: Scanatを利用されているのはどなたですか。
基本的には私が利用しています。お仕事の依頼があったとき、まずは図面で確認して現場に行かなくても見積りができるかを判断します。どうしても現場に見に行かないとわからない現場の時は、Scanatを持って現場に行って撮影し、事務所に戻ってから金額を入れるところまでの一連の流れを、その日中に私が行っています。ある程度の大きな面積でも、平面上での寸法であればタッチの間隔で部屋ごとに面積取りができます。
Q: Scanatを導入する前はどのように作業されていましたか。
芳垣さん:デジタルカメラを持っていき、撮影した複数の写真を紙に出力していました。その紙をペラペラと見つつ、”現場を思い返しながら”見積りを行っていました。
Q: どのような現場で利用されていますか。具体的な現場の事例もお聞かせいただけますか。
芳垣さん:一番大きい場所でいうと、小学校の体育館の床の改修工事ですかね。建物の内部だけでなく、外構も撮ることがあります。 外壁の改修をした例では、建物のまわりをぐるっとスキャンしました。扉の開口を、足場を掛けるときに、どこの扉を閉めてはいけないのか、どこを閉めても問題ないのか、というようなことを、それぞれ確認し、鳶さんにお願いしています。外壁足場の仮設の図面が出てきたときにも、図面と現場も寸法が合っているか確認しています。 ビル内の部屋の例だと、天井の中の階高、部屋の階高、ワイドなど、図面がない状態でも寸法が瞬時に確認できました。木の木目がどのようなものだったか、などの情報もScanat上で確認できるので、何度も現場に足を運んでは、「あーじゃない」「こうじゃない」と現場で苦労することがなくなりました。荷物を置く場所をどこにするか、という計画もしました。 雨漏りした後のお寺だと、天井を開けた穴からも撮影しました。天井裏と玄関がどのような恰好形で繋がっているのか、天井板が何枚で、どのような素材で、厚さが何ミリなのか。「ココからココまでの面積で仕事をしたい」という情報は見積りをする上で重要な情報になります。
Q: 外構にも使われているのですね。
芳垣さん:資材の搬入の情報はとても大事なので、車が通る運行ルートもScanatで撮影しています。車の幅員とトラックの回転半径を大まかに鑑定するうえで、道のそれぞれの幅を確認するために使っています。斜め坂であるということなんかもわかります。例えば、道幅が2300mmあれば、4t車は厳しいけれど2t車までなら入場できるな、という感じです。 大きい公園の中の敷地を通るルートだった現場では、道がどういうふうに曲がっているかなど、図面上では表現しにくいような場所を、きちんと表現することができます。ここの道を通って行ってくださいね、という指示を出すための資料として活用しています。
Q: 仮設の計画は特に重要視されているように感じました。
芳垣さん:そうですね。作業をするのに、どのように効率化をして生産性よく現場を終わらせるかを考えるためには、仮設の計画図が一番重要です。仮設の計画を立てる段階では、図面上の寸法よりも現場で測った寸法がリアルで大事です。例えば、どの搬入車両を割りあてるのか、といったことなどを、実際に運転するドライバーの方ともより詳細に、直観的に画面上の打ち合わせができるのが便利ですね。
Q: 見積や計画段階以外でも利用されていますか。
芳垣さん:工事の進捗管理にも使っています。1週間に1回ぐらい撮影し、だいたいこんな状態か、というふうに確認しています。現場でわからないところや細かいところは、その部分だけスキャンをすることもしています。さらに細かいところで見えづらい、わかりづらい時には写真を1枚1枚確認していました。瞬間瞬間の全てが取り込まれていくため、便利ですね。
Q: お客様とのやり取りでも活用されているとお聞きしましたが、どのように使われているのでしょうか。
芳垣さん:はい。図面上でお客様に説明するより、感覚的に理解してもらいやすいのでScanatを活用しています。Scanatで撮影したうえで、「今のここの寸法は○○です。」「△△㎜増やすとこのくらいになります」というように、視覚的に打ち合わせしています。図面上に手書きで入れるより、角度を変えながらの見た目でわかるため、体感に近い形で話が進められて理解が早いです。また、打ち合わせ後に、決めた寸法を入れたスクショを撮ることで、第3者の管理者にも同じようにわかりやすい報告・確認ができます。
Q: これからScanatを使う人におすすめの使い方はありますか。
芳垣さん:撮影するだけの人と、データをもらって会社で積算する人を分けると効率的で良いと思います。外回りの人はiPadを持って撮影するだけ。データをもらった人は、どんな作業をするのか確認しながら数字を入れていく。こうすることで、1人で仕事をするスタイルより、チームで仕事をすることが可能になると思います。
Q: Scanatをはじめとしたツールについてはどうお考えですか。
芳垣さん:目に映ったものが大事な情報なので、その情報をできるだけ見落とさないようにしていきたいとは思っています。けれど、年をとると記憶力も落ちるし、作業効率も落ちるので、Scanatのようなツールを使うことでカバーしていきたいと思います。Scanatを使うことで、早く帰れる、ということにもつながってきますし(笑)早いときには17時には会社を出れるようになりましたね。
Q: 働き方の変化にも繋がってきているようですね。
芳垣さん:すでにScanatで時間短縮、人数の少量化、効率化はすごくできていて、帰る時間も早くなりました。若いうちは、遅くまで働くことが仕事の量をこなすうえでは良しと考えていた部分がありました。けれど、決まった仕事を20年以上続けてくるようになってくると、1つの作業をどれだけ効率化して短縮できるか、というように変わっていきました。次の仕事や新しい働き方を考えるために、余った時間を使わないといけないな、と思います。