Scanatは外構でも大活躍!
外構・エクステリア合同会社にわけん  代表社員&作庭事務所庭師  須藤謙様Scanatは外構でも大活躍!作庭事務所庭師であるにわけんの須藤謙さんに、エクステリアでのScanatの利用方法についてインタビューしました。
プロフィール:施工エリアは茨城県鹿嶋市から概ね50km圏内。ガーデニング・作庭・造園・外構・エクステリア・設計施工一式を行っている。社員は全部で5人。
Q: Scanatをお知りになったきっかけはなんでしょうか。
須藤さん:幕張メッセで行われた測量関連の展示会です。2022年5月のCSPIですね。Q: 実際に御覧になられた第一印象や感想は覚えていらっしゃいますか。
須藤さん:まずは画期的だな、と思いました。測量業界の点群データを取る3Dスキャナーは、やはり結構高額で本格的なものが多くて。Scanatを初めて見た時は、エクステリアの業界に合ったメニュー・コンテンツで「ちょうどいいな」、と思ったのでうちでも導入できると思いました。Q: 3Dモデル化するツールは他にもあると思いますが、なにか試されたことはございますか。
須藤さん:海外のアプリで、点群データが取れるものを1度試したことがあります。英語なので説明書を見てもわからない上に、使いづらかったです。Q: Scanatを導入するに至った経緯を教えていただけますか。
須藤さん:Scanatを知った展示会の頃に、ちょうどRIK CADで点群データを利用できるようになりました。海外製の3Dスキャナーアプリを使った、点群のインポートの方法が動画で紹介されていて。これはいいなあ、と思い、RIK CADのヘルプデスクに点群のインポートの仕方を聞いたのですが、向こうもまだ使う人があまりいないのでやり方がすぐにはわからず。もう少し詳しい人が折り返し電話してくれて、インポートの仕方を教えてもらった、というような感じでした。Scanatを知った展示会には実はドローンを見に行ったんです。「ドローンで庭の撮影ができたらどうかな」、「測量とかできないかな」と思っていたためです。行きの車の中で「今3Dスキャンとか、そういうカメラなどでもいいのがあるから、そういうのも見てみたら」というような話題が出ていたんです。そうしたらScanatが出展していて。値段を聞いたらちょうど手頃な値段で導入しやすいなと思ったので導入することにしたんです。
Q: 実際にScanatを導入してみて、どのような作業の変化がありましたか。
須藤さん:2点あります。まず1点目は測量の時間が大幅に短縮できたことですね。リフォームの現場は図面に残っていない場合もあります。古い外構の測量をするときは、いちいちスケールで高さを出したり幅を図ったり。それをものすごい時間をかけて測る必要がありました。例えば一軒当たり2時間ぐらいかけて測量し、図面を作っていたのですが、Scanatを導入してからは、約20分くらいになり、かなり時間の短縮ができました。
2点目は見積もりの正確さが増したことですね。土のレベルがほぼ正確に測れるので、それによってブロックの基礎の高さを、知りたい場所ごとに出せるようになりました。外構では高さのレベルが大事なので、それがかなり正確に出せるようになったことで見積もりもより正確になりました。
Q: 使い始めたときは、今までの作業とのギャップがあったと思うのですが、特に困ったことはございませんでしたか。
須藤さん:はじめは、(スキャンをする際の画面上の)赤い点の塗りつぶし方がよくわからず何重にもスキャンしてしまったり、遠いところから点を撮ろうとしたり。あまり上手くいきませんでした。けれど、距離感が何度かやっているうちにわかってきて、5回ぐらい練習すると、結構正確なデータを取ることができるようになりました。Q: Scanatは須藤さんもご自身で使われているのでしょうか。それともメンバーが使われるということもございますか? 須藤さん:社長の私が使っています。他のメンバーは施工がほとんどメインなので、設計と営業に関しては私がやっております。逆に施工であまり使う機会がないですね。
Q: 代表ご自身が作業の時間を削減できたことによって、時間の使いかた方に変化はありましたか。
須藤さん:そうですね。時間を短縮できたことによって、その分の時間に余裕ができました。その時間を使って経営的なこと、例えばこれからこの会社は何を目指していこうか、といったビジョンを考える時間になったり、デザインやアイディアを考えることに時間を使えるようになったりしました。Q: どのような業務やお客様の課題について、Scanatを利用されていますか?
須藤さん:例えば、生垣ですね。家の周りの植木を全部撤去して、そこにブロックとフェンスを作ってもらいたい、というリフォームの案件があります。また、新築の場合に、実際に現地に残土がつみ上がっている状態で、その残土処分の量はどれぐらいあるのか、という計算をすることもあります。Q: 見積りの正確さについてのお話をお聞かせいただけますか。
須藤さん:以前は測量の間違いによって、追加工事を行わざるを得ないこともありました。その際は追加料金で工事させていただくことになってしまう場合と、弊社側がその分を補うことになってしまう場合があります。後者の場合は損失になって利益が減ることになります。Q: そうすると追加工事に対するクレームなどが出てきたこともあるのではないでしょうか。
須藤さん:実際ほとんどの場合、こちらの見積間違いによる追加工事については追加料金はいただいておりません。弊社の損失としてしまう、という感じですね。Q: 測量の正確性、といったお話がありましたが、誤差についてはどうお考えですか。
須藤さん:我々の仕事で、1〜2mmといった精度は必要ないです。見積りに対して使うため、10ミリ〜30ミリの差でも間違えることはないんです。Scanatで撮りつつも図面が既にある現場もありますので、併用することもあります。また、スケールでも一応1か所ぐらいは測って、行ったスキャンの精度を確認しています。基本的に高さのデータをよく使います。今まで時間的に計測していなかったところもわかるようになったため、見積り精度はあがりました。Q: 見積りの精度が上がったことによる変化はありましたか。
須藤さん:失注率が下がったので、成約率が上がりました!Q: おお!すごいですね。見積りの精度が契約に結びつくんですね。
須藤さん:はい。見積り精度が上がるとより適正価格に近づくので、見積りにおけるお客様からの信頼も高まります。平らな土地はあまり問題がないのですが、山があって下ってといった地形になると、高さを拾い出すのがすごく大変です。本当はいちいちオートレベルで見て、スケールでピピピと全部の高さを取らなくてはいけないのですが、見積りにそこまで時間は取れません。そうすると、「若干の余裕を持って見積もりを出さざるを得ない」ということになります………
Q: そうなると金額が高くなりますよね。相見積もりなんかもありますか。
須藤さん:そうなんです。相見積りがあるので、安いところに仕事を取られてしまうんですよね。見積が高くなるということは、案件がとれないということです。逆に低く見積もると、追加工事などでこちらの損失になりかねないですし。Scanatを使ってパースを描くと、現場に合わせた図面が描けるようになったので、根拠としてお客様に提示ができます。例えばこの現場(下の写真)のように坂になっている場合、今までは全部同じ高さにしたり、「右は五段積みでこの辺からだいたい三段積みになるかな」というような経験に基づく見積りをしていました。確実ではないですよね。一方で、Scanatで撮ったモデルを使ったパースですと、「ここは五段積みのブロックで絶対大丈夫だ。」「ここは三段積みで大丈夫だ」というように、実際の数値や現場に合わせて見積りを出せます。お客様も根拠があるから安心ですよね。信頼度も高まります。
Q: お客さんとのコミュニケーションでも、3Dのモデルは使われているようですね。
須藤さん:そうですね。今までは、測量した数字を紙とペンで書いたものをパソコンのCADに打ち込み、3Dのパースを1から作って、それを確認していただいていました。今はScanatで撮ったデータをパソコンのCADデータに取り込んでいます。そうすると、CADで立体図が見れるのですが、それをなぞるようにして図面を描けます。なので、より現場をイメージしやすくはなったと思います。Q: どのようにScanatでとったモデルをCADで活用されているのか教えていただけますか。
須藤さん:RIK CADを用いています。 私の場合は、iPhoneを使って撮影し、CADはガーデン・エクステリア業界の、CADとしては最大手だと思いますRIK CADは。Scanatで撮影したモデルをpoint cloudの、[xyz color, space delimited]形式でクラウドに保存、パソコンに取り込んだうえで、RIK CADにアップロードしています。